関東弁護士会連合会は、関東甲信越の各県と静岡県にある13の弁護士会によって構成されている連合体です。

関東弁護士会連合会ブログ「調子に乗って勘弁れん」関東弁護士会連合会ブログ「調子に乗って勘弁れん」

飛ぶも飛ばぬも自分次第

HN:関弁連の中の人A(茨城県弁護士会)

  

 交通業界には,「4時間の壁」という有名な言葉があるようで,これは,鉄道(陸路)による所要時間が4時間を超えると飛行機(空路)が優位になるという統計が根拠となっているそうです。

 

 東海道新幹線を例に取れば,東京―岡山間(3時間20分前後)の移動であれば陸路が優位ですが,東京―博多間(約5時間)の移動では圧倒的に空路が選択される,とのことで,どうやら広島を過ぎた先あたりに「4時間の壁」があるようです。

 

 確かに,空路は,陸路よりも「搭乗時間」こそ短いですが,主要駅から出発空港及び到着空港から主要駅への移動時間,そのほか,搭乗手続(保安検査),搭乗待ちや滑走路待ち,手荷物を預け入れる場合にはその受取り,とそれぞれの段階に手間と時間を要することを考慮すると,「所要時間」の総計は膨らみます。

 

 また,個人的には,地方都市の場合,空港の所在地が市街地(主要駅)から相当程度離れており,電車も通っておらず,交通手段は車のみ(シャトルバスかタクシーで30分程度)という立地であることも少なくないという印象があることからも,到着駅が概ね主要駅(場合によっては目的駅)であるという陸路の利点もなかなか無視できません。

 

 その意味で,福岡空港は主要駅との電車のアクセスが良く,博多への交通手段として空路の支持が圧倒的なのも納得の結果です。

 

 ですが,私の知っている方で「決して飛行機に乗らない」という方がおり,その方は,博多はもちろんのこと,札幌に行くのも陸路でした(参考までに,東京-博多は約5時間,東京―札幌は約8時間です)。

 

 その方によれば「鉄の塊が空を飛ぶなんて理解できない,鉄道や船であれば事故が起きても生き延びる自信はあるが飛行機事故では無理だ,これまでずっと乗ってこなかったのに『物は試しに...』と乗って死んでしまったら後悔してもしきれない」とのことでした。

 

 もちろん,そのような方の飛行機に乗らない自由も保障されるべきでしょうし,酒とつまみを買って,特急や新幹線に乗り込み,時折外の景色を眺めながら気ままに長旅をするのも,ある種,贅沢な時間の使い方と言えるでしょう。

 

 近々,偶然にもその方を含め札幌へ行く機会があるのですが,当然,その方は陸路で札幌へ向かうご予定とのことでしたので,「私も陸路でご一緒させていただいてもよろしいでしょうか」と申し出たところ,驚きながらもご快諾いただき,せっかくだから,と盛岡で前泊してから札幌へ向かうことになりました。

 

 東京―盛岡が約2時間,盛岡―札幌が約6時間という行程は,自分の頭の中の日本地図がおかしいのかと錯覚させられますが,おそらく新幹線がそれだけ速いということなのでしょう。

 

 なんにせよ,盛岡で美味しいものを食べてから札幌へ向かうことになったので,これを機に贅沢な時間の使い方をさせていただこうと思います。

 

 以上,陸路だけに,オチない話で勘弁れん。

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