新潟県長岡市より(平成9年度)
新潟県弁護士会  高橋 信行

T 地域の状況
 新潟県は、大きく分けて、上越地方、中越地方、下越地方、佐渡地方の4つに分けられる。長岡市は、中越地方の中心都市であり、人口約18万人である。県庁がある新潟市は、下越地方に属する。

U 裁判所について
 新潟地方・家庭裁判所は新潟市にあり、長岡市には、各裁判所の長岡支部及び長岡簡易裁判所がある。
 地裁、家裁の裁判官は共通で、支部長を含め4名の裁判官(うち、1名は未特例判事補)がいる。
 地方裁判所の開廷日は、合議事件が週1日、刑事単独事件が週2日(1名の裁判官が担当)、民事単独事件が週4日(2名の裁判官が2日づつ担当)である。
 簡裁には、1名の裁判官がおり、開廷日は、刑事事件が週1日、民事事件が週2日である。

V 弁護士について
 新潟県弁護士会には100名強の弁護士が所属しており、その大部分は新潟市内に事務所を構えている。中越地区に事務所を構える弁護士は17名であり、全て長岡市内である。

W 検察庁について
 長岡市には、新潟地方検察庁長岡支部と長岡区検察庁がある。
 地検には支部長を含め2名の検察官(正検事)がおり、区検には4名の検察官(副検事)がいる。しかし、実際の事件の処理は、地検の事件のかなりの部分を区検の検察官が事務取扱として担当しているようである。

X 法曹三者の交流について
 右に述べたように、比較的小規模であるため、法曹三者の交流も盛んである。例年、法曹三者及び公証人で、4月には新たに着任した裁判官、検察官を迎えての歓迎会、1月には新年会、2月には送別会が開催される。
 加えて、毎年春、秋の2回、裁判所、検察庁の職員、法律事務所の事務員も参加してのソフトボール大会が行われる。一般の職員や事務員を含めて、法曹三者の交流があるのは、全国的にも珍しいのではないかと思われる。

Y 当番弁護士について
 長岡市の弁護士は、地裁長岡支部管内の拘置所ないし警察署に逮捕勾留中の被疑者を担当している。当番に当たる弁護士は現在9名であり、1日交代で担当しているので、1か月3回位の割合で当番が回って来る。
 私の平成9年の出動回数は、12回であり、このうち、5件は法律扶助協会に対し被疑者援助制度を申請して認められた。また、それ以外の私選は1件であった。

Z 国選弁護について
 私の平成9年の国選弁護受任件数は、21件であった。
 このうち、簡裁の事件が3件で、それ以外は地裁の事件であった。
 地裁の事件のうち、10件が外国人事件で、罪名は、何れも、出入国管理及び難民認定法違反であった。
 21件のうち、在宅事件は3件であり、残る18件は身柄事件であった。身柄事件の場合、長岡市内に勾留されていればそれほどでもないが、遠隔地に勾留されていると、接見するにも時間と費用がかかり、かなりの負担となる。

[ 公的機関主催の無料法律相談について
 現在、長岡支部管内で定期的に無料法律相談を実施している公的機関は、4市3団体であり(弁護士会を通さずに個々の弁護士に依頼しているものを除く。)、週1回ないし月1回の割合で行っている。この他、単発的な無料法律相談も多く行われている。
 私の平成9年の担当回数は、31回であった。
 無料法律相談に多く行っていると、時に、同じ相談者と会うことがある。また、以前相談を受けた事件の相手方が来たりすることもある。このような時は、事情を話して別の機関を紹介したり、別の相談日に来てもらうようお願いしている。ただ、無料法律相談の場合、相手方の名前を聞かないことも多いし、仮に聞いても覚えていないことがある。このような場合、途中まで話を聞いて、以前相談を受けた件の相手方であることに気がつくことになる。

\ 破産管財人について
 現在私の手持ちの破産管財事件は、25件である。これは、全国的にも多い方ではないかと思う。しかし、私だけが特に多くの事件を抱えているわけではなく、長岡市内には同程度の管財事件を持っている弁護士が多くいると思う。
 件数が多い分、私の事務所では、業務のかなりの部分を管財事件が占めている。
 25件のうち、個人が18件、株式会社が4件、有限会社が2件、合資会社が1件である。
 また、25件のうち、10件は配当が見込まれるもの、10件は異時廃止が見込まれるもの、それ以外は現段階では何れになるか不明である。
] 私の事務所について
 私の事務所は、長岡駅から約2キロの地点にあり、市役所まで徒歩3分、裁判所、検察庁、法務局、拘置所まで徒歩4分の場所にある。裁判所と検察庁は隣接しており、検察庁の建物内に、法務局と拘置所がある。拘置所までが同じ建物内にあるのは全国的にも珍しいのではないかと思う。法廷の合間に、検察庁で記録を閲覧して、拘置所で接見ができ、非常に便利である。近くにいくつかの法律事務所があるが、それだけ、便利な場所なのであろう。
 事務所の広さは25坪であり、家賃は1か月17万円である。

]T
 中越地区の弁護士は、長岡市内の17名のみであり、人口等に比べ少ないように思う。これは、私だけの考えではなく、市内の弁護士の多くはそのように思っているのではないだろうか。

(※平成16年追記)
 事件数等は平成9年当時のものであり、現在とは大きく異なっております。