小田原からのメッセージ(平成11年度)
横浜弁護士会  剱持 京助

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 横浜地方裁判所小田原支部管内には18市町村があり、管内の総人口は約120万人です。
 小田原には地家裁支部及び簡裁があって、裁判官は9名おられ、他に厚木市と平塚市に簡裁があります。
 横浜弁護士会小田原支部に所属する弁護士の数は平成12年1月現在で57名であり、年齢構成は80歳代が4名、70歳代が11名、60歳代が9名、50歳代が17名、40歳代が11名、30歳代が5名となっております。
 気候温暖な地のためか、裁判官や検察官を退官された後にこの地で弁護士登録をされた方が12名おられます。
 他に小田原の特徴としては、交通が便利な地(主な路線としても東海道線、東海道新幹線、小田急線が通っており、小田原駅には駅長さんが5人もいます。)ということであり、横浜の本庁まで1時間半位、東京地裁、東京高裁へは新幹線を使ってそれ以下の時間で通うことができます。
 例えば、東京地裁の午前10時の弁論に出頭するには、小田原市内にある私の自宅を午前8時30分に出れば十分に間に合い、午前10時に東京、午後1時に横浜の弁論、午後3時以降に小田原の和解期日を入れるなどということはさほど無理なくできます。
 このため、東京や横浜の弁護士が小田原の裁判所に来られることも多く、支部自体の会員の数もある程度いることもあって、私個人としては弁護士過疎の地だという印象は全く持っておりません。あくまでも弁護士サイドの見方ですが、管内の一部の地域(箱根町、山北町あたりでしょうか)を除いては、住民から弁護士へのアクセスにも特に問題はないと思います。

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 私は司法修習45期で平成5年4月に小田原で弁護士登録をしました。
 元々は横浜生まれの横浜育ちであった私が小田原支部で弁護士をすることとなった理由は、現在の事務所の雰囲気が気に入ったことのほか、実務修習で地方の弁護士のあり方を見たことによります。
 修習先の第一希望地として横浜を書きましたが、最後の希望地の福井までとばされてしまいました。(当時はまだ独身だったためか、裏日本で一度暮らしたかったなどと希望理由を書いたためでしょう。本当はその前の希望地の金沢に留めてもらいたかったのですが。)
 福井の地で、小規模会ならではの良さを感じ、弁護士全員の顔がお互いにわかり、和やかな中にも相互監視作用の働く規模のところで、適度な緊張感をもって仕事をし、弁護士として成長したいと思ったのです。
 なお、私の趣味は登山やダイビング、海釣り等であり、伊豆や丹沢にすぐに行けることも小田原が気に入った理由ですが、毎日湘南の海や富士山を見て暮らしていると、自然に親しみたいという欲求も弱くなるのか、都会暮らしをしていた時よりも出掛ける回数はめっきり減ってしまいました。

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 業務内容としては他の地方と比べて特に変わったところはないと思いますが、やはり訴額があまり大きくない事件が多いです。
 私がやっている国選事件は年15〜20件位、当番弁護士が月に1回弱、種々の法律相談が月に3〜4回といったところです。
 平成9年10月より小田原支部管内の当番弁護士は支部の弁護士が行くこととなり、それに伴い、当番弁護士に登録する支部会員の数も増えましたので、私個人としては負担が軽くなりました。
 法律相談をやっていてちょっと困るのは、狭い地域のせいか、相手方が相談者としてくることが多々あるということであり、自宅の近所の人の相談等も含めて地方都市ならではのやりにくさを感じることもあります。
 また、裁判所からの依頼業務も多く、私がこれまでに担当したのは、管財人業務8件(内和議管財人2件)、職務代行者1件等があります。

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 私が働いている事務所は、他に弁護士が2名(29期の杉ア茂弁護士、42期の大木孝弁護士)がおり、平成12年4月より新人弁護士1名(小田原支部に配属された第1号の修習生で当事務所で弁護修習をしました。)を迎えます。
 事務所の特色としては、
@地元の中小企業の依頼者が多く、中小企業の経営やその従業員の生活の安定を図ることで地域社会に貢献する。(事務所の顧問先は約60社であり、事務所の親睦会があって、年に2回の研修会等を開催しており、情報交換や機動的な事件処理に役立っています。)
A単純な事件を除いて、一つの事件をできる限り複数の弁護士が担当し、頻々に合議を行って知恵を出し合う。
B純然たる個人事件はなく、全ての収入は事務所に計上し、経験に応じた一定の比率によって分配する。
 誰がいくら稼いだかということは関係ありませんので、このシステムにより弁護士会の委員会活動等のプロボノ活動にも心置きなく参加することができます。(新人弁護士は2〜3年の間は給料制です。)
 なお、国選事件の収入は自己申告制により半分を個人の所得とし、残りの半分をプールして、弁護士3人の飲み代やゴルフ代等に充てております。
といったところでしょうか。
 事務所の課題としては、業務のコンピュータ化を進め、それぞれが得意分野に一層磨きをかけるということです。

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 小田原支部を含めて地方の弁護士は一人事務所が多いのが実情と思いますが、情報化社会がますます進展し、弁護士数も飛躍的に増大するこれからは、何年か経ったら当然のようにイソ弁から独立するという時代ではなく、地方であっても複数の弁護士で事務所を構成し、効率的な事件処理を図り、複雑な事件は複数弁護士の力を合わせて対処することにより、社会の要請に応えられるのではないでしょうか。