関東弁護士会連合会は、関東甲信越の各県と静岡県にある13の弁護士会によって構成されている連合体です。

「関弁連がゆく」(「わたしと司法」改め)

従前「わたしと司法」と題しインタビュー記事を掲載しておりましたが、このたび司法の枠にとらわれず、様々な分野で活躍される方の人となり、お考え等を伺うために、会報広報委員会が色々な場所へ出向くという新企画「関弁連がゆく」を始めることとなりました。

フリーアナウンサー
中井美穂さん

とき
平成13年3月2日(金)
ところ
松本楼(日比谷公園)
インタビュアー
鈴木 周会報・広報委員会委員

 今回の「わたし」は,フリーアナウンサーの中井美穂さんです。
 中井さんはロサンジェルス生れの東京育ち,日本大学芸術学部放送学科を卒業され,アナウンサーとしてフジテレビに入社されました。1988年からは中井さんの代名詞とも言える「プロ野球ニュース」で司会を務め,並居る野球解説者との軽妙なやり取りが大人気となりました。1995年にはヤクルトスワローズの古田敦也捕手と結婚されフジテレビを退社,その後は世界陸上やシドニーオリンピックのメインキャスター,また料理番組や将棋講座などフリーアナウンサーとして,幅広くご活躍中です。

中井美穂さんと言えばプロ野球ニュースですよね。私も受験時代毎日見てましたが,もともと野球はお好きだったんですか。

中井さん いえ,野球はそれまで全く興味なかったのですが,局の命令で担当したのです(笑)。それからは頑張って勉強して楽しさがわかるにつれ,だんだん好きになっていったんですけれど。

退社されてからはお仕事はどうされているのですか

中井さん 退社してからマイペースで楽しく仕事をしています。やはり会社勤めでは,「この時間は仕事できません。」とか言えませんものね。今は週3回くらいお仕事をしたら「随分仕事したなあ」という感じでしょうか。もちろんそのための予習の時間なども必要にもなりますから家でも仕事をしています。

プロ野球選手は夜遅くなる仕事ですし,お食事の用意とか大変ではないですか

中井さん 夫は,シーズン中は,試合が終わってシャワーとか筋トレとかして帰ってきますので,大体夜10時過ぎ位に用意できていればいいわけです。ヤクルトは爆発的な打線で勝つチームではなくて,継投でつないで勝っていくチームなので,相手が同タイプの横浜とかだと「今日は遅くなりそうだな」という感じですね。ですから,お仕事で買い物に行けなくても夜9時に冷蔵庫に食材があれば大丈夫,間に合います。でも,そう思っていると雨で試合が中止になって早く帰って来ちゃったりするんですけど(笑)。そういうときは,夫が自分で作ったりしますね。

ええっ,古田選手がご自分で作るんですか,野菜炒めとか?

中井さん そうです(笑)。外で食べてくることもありますけど。

ところで,古田選手と言えば,以前からプロ野球の契約更改の代理人問題で頑張っておられますよね。

中井さん そうです。今は日本プロ野球選手会の会長をしていますから,会の顧問弁護士さんと一緒に頑張っていますね。副会長は横浜の小宮山選手です。主にオフの間ですが,シーズン中も結構打合せとかあって,家にもたくさん弁護士さんからファクスが入ってきます。

いわば組合の執行委員長ですからね。なんか会議とかも大変そうですね。

中井さん 夫も打合せから帰ってきて,「いやー,みんな熱いぞ。大変だぞ。」って言ってますよ  (笑)。

そのおかげで,ようやく昨年から代理人の同席が認められましたね

中井さん でも,代理人を頼む選手は案外少なかったです。やはりまだまだ契約更改は球団との間の「情」で決まるという感じです。球団も「野球のわからない人に入って欲しくない」と思っているようですね。選手の側も,お金の話ですからイメージの問題もありますし,なかなか踏みきれないところもあると思いますよ。

しかし,選手も代理人がいないと球団と対等に話をするのは難しいのではないですか

中井さん 確かに,密室で選手1人に対して球団職員が3人から4人で話合いがされるわけですから,力関係は全然対等ではありません。もっともっと代理人の制度が一般的になっていかなければいけないと思いますね。例えば,現在は「代理人 同席」ですが,将来は代理人だけで交渉できるようになって欲しいですね。やはり,野球選手は2月のキャンプインまでの12月から1月がオフになるわけですから,その間は家族と一緒にすごしたり旅行したりしたいですよね。

現在は代理人のみの交渉は認められていないのですか

中井さん それは球団によると思います。夫の場合は,以前から球団と信頼関係を築いてきましたから,最後のサインの時だけ本人がいればよいということになっています。おかげで,オフは夫と2週間旅行に行くこともできました(笑)。でも本来は全部代理人が出来るようになって欲しいですよね。外国人選手なんてみんなそうですし。

そのような活動を通して弁護士のイメージも随分変わったのではないですか。

中井さん そうですね。以前は弁護士というと「弁護士先生」という感じで,「弁護士さん」という感じではなかったのですが,夫のことがあって一気に身近な存在になりました。それに今,弁護士のドラマとか,検察官のドラマとか沢山あって,とても脚光を浴びている華やかな業種だと思いますね。

弁護士を含めた法曹界全体についての印象はどうでしょう

中井さん 裁判手続とか随分時間がかかるという印象がありますね。例えば,今話題になっている織原容疑者の事件でも,そのうちマスコミの扱いは「一見落着」みたいになるんでしょうけれど,実際は全然一見落着してなくて,忘れたころにようやく判決が出ることが多いでしょう。

それは,法曹人口,特に裁判所・裁判官が少ないからです,でも今度合格者が3000人になって,広告も解禁されたんですよ。

中井さん そうですか。一般の人は弁護士さんに頼 みたくても,なかなか身近にいませんから,媒体が増えるのはいいですね。ただ,私自身は弁護士さんはみんなよく見えてしまうので,広告の仕方を工夫していただいて,専門分野とか人となりとかよくわかるようにしていただきたいですね(笑)。

今後のお仕事のご予定はどうなっていますか

中井さん 4月からNHKで「将棋講座」を担当するので,今将棋を入門から勉強しています。
 夫も将棋が好きなので,私もやりたいと思っていたのです。

確かに古田選手はすごく将棋をさしそうな感じですね

中井さん そうです。夫の実家は皆将棋をするので一緒に帰ったときに私だけ出来ないとつまらないじゃないですか。でも本当にまだ始めたばかりで,この間も練習でNHKの将棋の先生と対局したんですが,先生が王と歩3枚,私がフルメンバーでしたよ。

まさか負けたんじゃないでしょうね(笑)

中井さん いえ,さすがに勝ちました。30分くらいかかりましたけど(笑)

これからも,スポーツに限らずいろいろな分野で頑張って下さい。今日はお忙しいところ有難うございました。

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