関東弁護士会連合会は、関東甲信越の各県と静岡県にある13の弁護士会によって構成されている連合体です。

「関弁連がゆく」(「わたしと司法」改め)

従前「わたしと司法」と題しインタビュー記事を掲載しておりましたが、このたび司法の枠にとらわれず、様々な分野で活躍される方の人となり、お考え等を伺うために、会報広報委員会が色々な場所へ出向くという新企画「関弁連がゆく」を始めることとなりました。

eWoman.co.jp代表取締役社長
佐々木かをりさん

とき
平成13年7月24日(月)
ところ
イー・ウーマン(港区南青山)
インタビュアー
窪木登志子会報・広報委員会副委員長

 今年7月の参議院議員選挙は,小泉首相の人気,そして「聖域なき構造改革」への国民の期待から,自由民主党が圧勝しました。
 その中心的役割を担うともいうべき「総合規制改革会議」(宮内オリックス社長ほか15人)では,司法改革も議論されるところ。そのメンバーの1人である佐々木かをりさんにお話を伺いました。
 佐々木さんは,フリーランスの通訳業から,そのネットワーク化を図った会社を起業し15年目を向かえられました。かたわら,ニュースステーションのリポーター,CBSドキュメントのキャスターなどジャーナリストとしてのご活躍,フォスターペアレントなどのボランティア活動でも,よく知られています。昨年は,eWoman(www.ewoman.co.jp)という,女性向けサイトを立ち上げ,話題を呼びました。男女1人ずつのお子さんの子育て中でもあります。

総合規制改革会議では,どのような議論がなされているのでしょうか。

佐々木さん 会議は小泉首相から直接の任命で今年5月に発足し,7月24日に中間とりまとめを発表し,新聞などでも公表されたところです。6つの柱からなり,都市政策,医療,教育,福祉,労働,環境という軸を明示しています。

メンバーは,分担して担当するのですか。

佐々木さん ええ。希望により,私は,教育と福祉を重点的に担当しています。初等教育及び保育に関心がありましたので,そのワーキンググループに入っています。
 これまでに,ワーキンググループは4回,全体 会が5回,開かれました。

やはり,選挙前に中間まとめを出してほしい,という強い要請はありましたか?

佐々木さん それはありましたね。(笑)ともかく,小泉首相は相当強い意思で,規制改革をやろうとしているということを感じます。他のメンバーも私も,熱心に斬新な,本質的な改革をめざして意見を言っていると思います。

それに対して「抵抗勢力」はありますか?

佐々木さん それはすごいものを感じました。(笑) 私がある規制緩和の意見を言ったら,関係する2省庁双方から厚い反論資料が出てきました。また,「それは佐々木さんの個人的意見で,一般の人たちのニーズではないでしょう」と言われたりしています・・・。

さすが,と言うべきか。(笑)

佐々木さん それで,私の会社の女性サイトで,「規制改革メルマガ」を毎週発行し,さまざまな問いかけをして,一般の女性たちからいろいろな意見や情報をもらっています。それを石原大臣にもお渡ししたりして,佐々木個人の意見ではない,こんな情報もある,と伝えているのですが。

インターネット時代の新しい民意の表示方法ですね。
ところで,司法改革については,何か触れられましたか。

佐々木さん 専門ではないので,よくわかりませんし,むしろ教えてほしいのですが。
 ただ陪審に関しては,私がニュースリポーターとして仕事をしていたときに,テキサス州法に基づく,Teen's Courtに関するドキュメンタリーを1時間番組で放送したことがあります。大変興味深いものでした。
 10代の子の軽犯罪,例えばスピード違反やマリファナ所持などについて,判事が大人であることを除けば,陪審も検察官も弁護人も,全て10代の子供たちによって担当されていました。中には,まさにその軽犯罪を前に犯したことのある子が含まれています。罰の種類は,陪審に1~4回立ち会うこととか,社会奉仕を1~10時間する,と決まっていて,陪審がその数量を決定するようになっています。
 Teen's Courtの目的は,犯罪を犯した本人が,犯罪を振り返り,反省し,二度と将来,より大きな犯罪に進まないような 自覚をすることにあります。軽犯罪を犯すと,通常は罰金刑を受けそれを事実上,親が支払って終わりとすることが多いのですが,それでは改悛効果がないので,本人が罪を認めた場合に限り,Teen's Courtを望めば,罰金刑の代わりに今述べたような裁判を行うのです。
 これは,模擬裁判ではなく,地方裁判所の法廷を使い,法律に定められている正式な裁判で,この裁判を受けた場合,それならの犯罪は一切警察などのコンピュータからも消され,前歴にならない,とするものです。テキサス州で始まり,取材した当時(7年程前)でも12州に広がっていました。
 日本で陪審を導入するのであれば,このような方法が面白いのではないでしょうか。いきなり訓練もなしに,現在の大人が重い刑事犯について陪審の責任を負うのは,難しい気がします。

弁護士の数を増やす,という規制緩和については,いかがですか。

佐々木さん 法治国家において,論理的な考え方ができる人が増えるのはいいことではないでしょうか。
 規制改革会議において,医師や教育者の評価システムを考えていますが,裁判官,検察官,弁護士の判決履歴とか,事件履歴とかを,公開したらどうでしょうか。広告規制も原則,なくなったそうですし。

法律サービスの自由競争となると,いわゆる社会的弱者がアクセスできなくなるのではないか,という議論がありますが。

佐々木さん 無料相談などもふくめ,そのような対応も残し,またそれは,参加弁護士の評価に関連させるなどの方向で知恵を絞る必要があります。

ところで佐々木さんは,高校時代から独立志向だったとか。(笑)お子さんにも?

佐々木さん 高校時代からお小遣いは自分でバイトしていましたし,大学時代は学費もそうでした。留学も,奨学金と親戚からの借金でなんとか。
 子供はまだ小さいので,まずは,自分で考えて,選べる人に育てたい,と思っているんです。

本日は大変にお忙しい中,いろいろなお話を有難うございました。

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