2000年7月27日、 第1回シンポジウム委員会が開かれた。 そのとき与えられていたテーマが 「地方自治」 であった。 委員38名と定期大会担当会山梨県弁護士会の担当委員10名を加えた大部隊であり、 すべての委員が例外なく地方自治体の住民であるが、 「地方自治の専門家」 はごく少数で、 ほとんどの委員が司法試験受験あるいは学生時代以来、 初めて 「地方自治」 の勉強にとりくんだ。
地方自治は、 戦後、 憲法において位置付けられ、 新しい歩みを始めた。 そして、 地方の時代といわれる21世紀を迎え、 また地方分権一括法 (2000年4月施行) の下、 新たな段階、 発展をめざすべく模索奮闘が続けられている。
「地方自治」 というテーマは、 重要であり時宜に適っている問題ではあるが、 あまりに膨大すぎる。 登山に例えれば 「南アルプスに登れ」 という課題を与えられたようなものである。 基本的文献の収集、 専門家・研究者からの講義等勉強の末、 「地方議会と住民投票」 という、 課題の対象の山、 コース、 チームの編成と配置、 装備等々の大筋が決まったのが、 昨年12月であった。
地方議会と住民投票の二つの部会に分け、 それぞれ、 アンケートを含む現地調査を行い、 議会部会においては、 現行地方自治法上の法律的、 制度的、 運用上の問題点の総点検、 住民投票部会では、 実施された住民投票 (請求が拒否され実施されなかったところも含めて) の運動団体・関係者等から直接聴取し、 その特徴、 問題点、 特に議会とのかかわり等々を重点的に調査研究した。
問題の範囲の広さ深さから、 特に地方議会と住民投票との関連、 「補完」 等につき十分論議検討が尽くされていないきらいはあるが、 住民自治の基本である、 地方議会の創造的発展と、 直接民主制の重要な制度的保障である住民投票の現状と将来への展望とともに、 当面の具体的な提言ができたものと自負している。
地方自治は、 今後ますますその重要性を増し、 特に法曹人口の大幅増大、 市民参加の一層の強化拡大等の司法改革の時代を迎えている今日、 弁護士が法律専門家として、 また住民として、 自治体と地方自治の諸問題に積極的に参加することが大きく期待されるものと考えられる。 また弁護士会・連合会が地方自治の諸問題に取り組んで行くことが求められるであろう。
この研究・報告がその契機の一つになればと願っている。
アンケートにご協力いただいた、 関東1都10県のすべての地方議会、 お忙しい中各委員の訪問による調査にご協力頂いた先進的な議会、 住民投票の実施、 請求団体等々のみなさんに心から感謝申し上げる。 また勉強会の講師になっていただいた学者・研究者の方々、 パネリストとしてお忙しい中シンポジウムにご参加いただいた方々に心から厚く御礼申し上げる。
最後に、 難問に最後まで熱心に取り組まれた各委員のみなさん、 山梨県弁護士会の担当委員のみなさん、
無理な注文にも応じて期日に間に合わせてくれた篠田印刷株式会社のみなさん、
長期にわたり、 休日の時などにも嫌な顔もせず頑張っていただいた関弁連の事務局、
とくに担当の石田信子さんに感謝する次第である。
2001 (平成13) 年9月28日 |