関東弁護士会連合会は、関東甲信越の各県と静岡県にある13の弁護士会によって構成されている連合体です。

宣言・決議・意見書・声明等宣言・決議・意見書・声明等

2025年度(令和7年度) 声明

東日本大震災・福島第一原子力発電所事故から15年を迎えるにあたっての理事長声明

 本日、東日本大震災の発生から15年という大きな節目を迎えました。長い歳月が経過した今もなお、震災と原発事故の影響は色濃く残っており、ここに改めて犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災者・被害者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 関東弁護士会連合会は、日本弁護士連合会等と緊密に連携し、電話相談や被災地での法律相談など、東日本大震災・福島第一原子力発電所事故の被災者・被害者が直面する多岐にわたる法的課題に継続的に取り組んでまいりました。
 震災から15年目となりましたが、福島第一原子力発電所の廃炉作業は、燃料デブリの試験的取り出しが始まるなど新たな段階に入ったとはいえ、完了までには数十年を要する極めて困難な道のりです。原発事故が残した負の遺産は、将来世代にわたる長期的な課題として依然存在しています。また、ALPS処理水の海洋放出も継続しており、これに伴う風評被害や、漁業関係者等の生業への影響に対する懸念も完全には払拭されておらず、被害の実態に即した対応が求められ続けています。
 15年という歳月は、被災者の高齢化をさらに進行させました。時間の経過により、賠償請求を行わないまま亡くなられた方の相続が発生し、権利関係や法的問題が一層複雑化・困難化する事態が顕在化しています。
 また、避難生活の長期化に伴うコミュニティの維持や心のケアなど、解決すべき課題は形を変えながら山積しています。
 このように、原発事故を含む震災の影響は終わっていません。

 私たちは、法律の専門家として、時の経過によって複雑化する被災者・被害者の法的問題に対し、粘り強く支援を提供する責任があります。正当な賠償の実現や生活再建の支援は、15年を経た今こそ、よりきめ細やかな対応が求められており、解決に向けた努力を惜しみません。
 震災を知らない世代が増える中で、記憶の風化が危惧されます。未曾有の災害から得た教訓を過去のものとせず、次世代へと確実に継承していくことが不可欠です。私たちは、日々の活動を通じて情報を発信し続けるとともに、法的な知見を活かして地域の防災計画や復興まちづくりに関与し、災害に強い安全な社会の構築に寄与していく所存です。
 私たち関東弁護士会連合会は、15年という節目にあたり、東日本大震災のみならず全ての自然災害の被災者・被害者の権利擁護に全力を尽くし、誰一人取り残されることのない復興と、安心して生活できる社会の実現を目指して、法律の専門家としての使命を果たし続けることをここに誓います。

2026年(令和8年)3月11日

関東弁護士会連合会
理事長 種 田  誠

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