

【内容】
日本国憲法の基本概念を教える際、教員の多くが直面する課題の一つは、「抽象的な理念を生徒にどう実感させるか」という点だろう。「人権」や「権力分立」といったテーマは、教科書を読むだけでは抽象的な理解に留まり、生徒が自分ごととして考えることが難しい場合も少なくない。曽我部真裕・見平典編著『古典で読む憲法』は、こうした教員の悩みにこたえる1冊である。
本書は、憲法の基本原理を「古典」という切り口から学ぶことを目的とした論集である。ロックの『統治二論』やモンテスキューの『法の精神』といった西洋政治思想の古典について、現代憲法学の視点からの解説が加えられ、それらの「古典」が今日の憲法理解にどうつながっているのかが示されている。
また、本書は教員にとって助けとなるだけでなく、生徒にとっても日本国憲法の基礎にある概念及び価値観について原典に触れる入口としても有用である。各章は平易にまとめられており、原典の難解な部分をかみ砕いて解説しているため、大学1年生や高校生でも十分に理解することができる。原典の一端に触れ、当時の時代背景などを知ることにより、生徒自身が、憲法―あるいは、その背後にある基本的な価値観―をより身近なものとして捉えるきっかけになるだろう。
【目次】
第1部 総論・統治
第1章 立憲主義
第2章 国民主権
第3章 権力分立
第4章 民主政
第5章 議会
第6章 政党
第7章 議院内閣制
第8章 違憲審査制
第2部 人権
第9章 人権の観念
第10章 自由
第11章 平等
第12章 プライバシー
第13章 政教分離
第14章 表現の自由
第15章 結社の自由
第16章 経済的自由
第17章 財産権
第18章 生存権
第19章 教育を受ける権利
第20章 参政権
以 上