

【内容】
本書は,著者が筑波大学附属駒場中学校3年生を相手に開講した課外セミナーをもとに書かれた書籍である。
上巻は不法行為をテーマとして,4つの判例を題材としている。この判例をもとに,著者が同中学校の生徒に対して質問を投げかけ,それに対して生徒が回答するという内容になっている。そのため,内容は高度であるものの読みやすいものとなっている。
不法行為という民法の一分野を対象としているが,法が適用されることにより社会に対してどのような影響を及ぼすかなど,法律家がどのような思考を経て法を適用しようとし,また,事件を解決しようとするのかを考えさせられるもので,不法行為に限らず法的な考え方一般について考えさせられる汎用性のある有益な書籍である。
なお,発展編は基礎編に先行して刊行されているが,刊行された際には基礎編も是非読んでみたい。
【主要目次】
はしがき
第0話 導入
Part1 法とは何か
Part2 損害賠償の政治力学
第1話 名誉毀損の有無―ゴーマニズム宣言事件
Part1 論評型の名誉毀損の判断基準
Part2 判例の基準を批判的に検討する
第2話 人格的利益の拡張―船橋市西図書館事件
Part0 第1話の補足と導入
Part1 図書の除籍は適切に行われたか
Part2 不当な除籍と著者の利益はどう結びつくのか
第3話 個人責任の限界―大川小事件
Part1 大川小事件の事例から出発する
Part2 個人責任の限界はどこにあるのか
第4話 集合的利益の代表―国立マンション事件
Part1 景観・景観利益とは何か
Part2 集合的な利益をどう守るか
以 上