関東弁護士会連合会は、関東甲信越の各県と静岡県にある13の弁護士会によって構成されている連合体です。

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パターナリスティックな制約

 「パターナリズム」(後見的介入)とは、本人の利益や保護を理由に、本人の自由や権利を制約することを正当化する考え方である。
 人権論との関係では、「本人自身の利益を図るためという理由で、その者の人権を制限することができるか」が問題となる。パターナリズムによる人権制約が問題となる場面としては、①「自傷的行為や自己決定の限界事例への対応」(自殺、薬物使用、危険なスポーツ等)、②「本人の真の利益と現在の選択との乖離がある場合の調整」、③「未成年者や判断能力が未熟な者の保護」、④「他者加害原理だけでは説明できない規制の正当化」などが挙げられる。
 他方で、人権保障との関係では、パターナリズムには、①「自律の尊重との緊張関係」、②「濫用の危険性」、③「適用範囲の不明確さ」といった問題点もある。
 そこで、現在では、「限定されたパターナリスティックな制約」として、制約を認める場面を行為者が真に自律的な判断ができない場合や可逆的・一時的な制約に限定したり、より制限的では他の手段を優先するようにしたりするといった実体的な規律に加えて、本人の意見聴取等の機会を保障するなどの手続的な規律も求めるといった考え方が強い。

以上

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